Tel.026-72-7271

有限会社フジサワ造花 代表取締役 藤澤健二様
伊那と伊那の人への思いを同じくできたことが、セレモニーホールの新しいモデルにつながった。

伊那谷の景観に調和し、四季を感じるデザイン

内装伊那市上牧に昨年の11月23日にオープンしたフジサワホールは、当社にとって2つめのセレモニーホールです。天竜川にほど近い上牧は、伊那谷らしい豊かでやさしい景観に包まれた場所です。
 
ですから、まず伊那の山々や川の美しさ、そして青い空と調和する落ち着きあるデザインを大切にしました。
建物の中央には中庭を置いています。とかく葬儀場といえば、一歩中に入ると外から閉ざされたイメージがありますが、ここは屋内でも四季の彩りやその日の天候を感じられ、開放的に思うことでしょう。
 
また、中庭を中心として時計回りの動線を施し、受付からホール、そして会食会場へと、自然な流れで会葬者をご案内できます。木目調の床も、他では見られない工夫で、当ホールの温もりと穏やかさに役立っています。
 
設計は城取建築設計事務所にお願いしました。ご担当いただいたのは平沢さんという女性の設計士さんです。随所に女性らしい視点と感性が生きており、彼女のおかげでこのホールならでの空気ができあがりました。
 
そして、このホールいちばんの特徴は、セレモニーホールを基本としながら、葬儀以外にも会議や展示会など様々な形でご利用いただける点です。伊那にお住まいの方が日頃から心を通わせる場でありたい、そんな願いがこの場所には込められています。今回、城取建築設計事務所にお手伝いいただくことで、地域の皆様に向けての当社の思いを一つ実現できました。

施主に対する理解力をいつも持っていてくれる

写真コンテストの様子当社には、かねてより伊那市西町にセレモニーホールがありました。
 
ただ、地域の皆様に安心してご葬儀をお任せいただくため、メンテナンス等のことを考えれば、どうしてももう1つホールが必要だと数年前より考えておりました。当時社長だった兄も、病に倒れながらいつもそのことが気がかりで、私が病院に見舞うと決まってその話になりました。
 
そんな折、城取専務(現社長)より、「ホールを建てませんか?」とご提案をいただきました。兄と話していたことは、余所には言っていなかったので正直驚きました。でも、城取さんが誰より早く声を掛けてくれたのもきっとご縁だったのでしょう。「いや実は…」と事情を説明し、計画が緒に就きました。
 
城取さんは、実のお父様と義理のお父様をともに亡くされ、お別れのお見送りをなさってきたこともあり、葬儀とそれが営まれる場所にたいへん思い入れがあると話していました。もとより、施主に対する理解力を持とうとする彼の実直な営業スタイルには好感を持っていましたが、今回は余計に彼の思いの強さを感じました。
 
葬儀のことについて、雑誌や書籍でよく勉強されていましたし、また二人で東京の斎場へ見学に行き、これからのセレモニーホールのあり方について議論を重ねました。
 
施主の思いを形にすることが、設計事務所の仕事だと思いますが、その姿勢が施主の言いなりでも、設計者側の独善でも、結果的に施主の満足にはつながらないと思います。城取さんは、その辺りをきちんと心得てくださっている。私の思いにじっくり耳を傾けながら、自身の意見もしっかり言う。こうして彼との間で、伊那と伊那の人への思いを同じくでき、フジサワホールのコンセプトが明確な形になっていったのです。

伊那の人が心を通い合わせる場所に

写真コンテストだけです。伊那にお住まいの方の葬儀に対する思いについては、私どもがいちばん分かっていると自負しています。
 
そして、どこよりも「伊那の心」を大切にしたいと願っています。故人に宛てた手紙を編んだ本『今は亡きあの人へ伝えたい言葉』を、伊那市を通して市内の小中高生や図書館に寄贈させていただいたのも、人と人とのつながりや支え合いのありがたさを知ってもらいたいとの思いから続けていることです。
 
だからこそフジサワホールも、伊那の人と人の絆、家族の絆を確かめ、思い出を一つ一つ重ねていくお手伝いをしていく場所と位置づけたのです。オープニングセレモニーでは、「伊那の笑顔」写真コンテストを実施しました。伊那の人の幸せあふれる笑顔写真を募集したところ、400点以上の作品が集まり、作品展示会には被写体になった方も、撮影した方も、たくさんの皆さんがこのホールへ足を運んでくださいました。
 
また、この3月に実施した「終活セミナー」も、直接葬儀とは関係なく、どちらかと言えば、どう生きるかをテーマにした企画です。笑顔の写真コンテストともに、今後もぜひ継続していきます。このホールの建設について、地元の皆様が快く受け入れてくださったのも、当ホールのこうしたコンセプトにご賛同いただけたからなのですから。
 
設計に携わってくれた城取さんも、早速ご自身が主宰する伊那谷の若手経営者の勉強会「伊駒考動倶楽部」の会場としてご利用くださいました。彼はその人柄ゆえに友人知人も多く、若い世代への発信力もあります。今回彼と一緒に仕事ができたことは、このホールがより広い世代に活用いただける機会づくりにもなったとありがたく思っています。
 
フジサワホールは「伊那の心」が通い合う器です。より多く方に様々な形でご利用いただくことが、そのままこのホールの価値になると願っています。

トップへ戻る