







伊那市に計画された「たかずやの里 分園型小規模グループケア」は、家庭的な環境の中で子どもたちが安心して暮らし、自立に向けて成長できることを目指した児童養護施設です。国の制度改正により小規模化・家庭的養護への転換が進む中、既存施設では対応が難しくなったことから、新たな生活拠点として整備されました。
施設は木造平屋建てとし、一般住宅に近いスケール感を大切に計画しています。各ユニットは入所者4名と職員1~2名が共同で生活する構成とし、「もうひとつの家庭」として落ち着いて暮らせる住環境を実現しました。
建設地は既存施設に隣接しており、日常的な連携を確保しながらも独立した生活空間を形成しています。建物配置では採光や通風に配慮し、子どもたちが長い時間を過ごす居間や食堂を明るく開放的な空間としました。食堂にはオープンキッチンを採用し、子どもたちと職員が一緒に食事づくりを行える環境を整えています。
内装には木質材料を積極的に採用し、温かみのある落ち着いた空間を創出しました。保育施設や福祉施設に見られる管理的な雰囲気を抑え、住宅のような親しみやすさを感じられる設えとしています。また、居間や食堂を中心に自然なコミュニケーションが生まれるよう計画し、子どもたちが安心して日常生活を送れる環境づくりを重視しました。
「たかずやの里」は、家庭的な暮らしを通じて子どもたちの健やかな成長を支え、地域の中で自立へ向かう力を育む施設として活用されています。建築を通じて、子どもたちの未来を支える居場所づくりに貢献したプロジェクトです。