Tel.026-72-7271

海華丸 女将 小松希有子様
城取設計は客である私の立場を考えてくれる設計事務所です。
納得いくまで妥協しないという姿勢を持って、大工さんや業者さんに厳しく意見を言ってくれました。

小さな仕事でも真摯に対応してくれた

海華丸 入り口私は南箕輪村の信州大学農学部近くで「海華丸」というお店を経営しています。城取建築設計事務所との付き合いは、1982年から続いています。
当時経営していた伊那市のお店に、先代(故・城取義直)がお客様としてお見えになったのがきっかけでした。
 
お話しする機会があって、先代に「社長のところは大きな仕事ばかりしていらっしゃるから、こんな小さなところのデザインはしないでしょう?」とうかがいました。
 
実は、1階のリフォームと2階部分の増築を考えていたんです。オープンしたのは81年のことだったんですが、トイレが狭かったり、厨房の水はけも悪いなど、不満を覚えていました。
 
もちろん、お願いしていた設計事務所の方に「長く使うものですから、直して欲しい」と、工事の最中にクレームを申し上げました。
しかし設計士の方は「もうここまで作っちゃったから、大工さんに申し訳なくて、作り直しなどできない」と言うわけです。私が客なんですから、その理論はおかしいのではないかと思いながらも、建築事務所というのは、そういうものなのかなと思っていたものです。

厳しいことでもどんどん言う社風が浸透

大広間一番感心したのは、大工さんや業者の方にもどんどん意見を言うことです。
「設計通りになってないから」「材料が違うから」と、作り直しもさせるんですね。
 
先代は、スタッフに厳しいこともどんどん言う。その社風が全スタッフに浸透しているんだろうと感じました。そのような環境の城取設計にいるからこそ、大工さんや業者さんにも厳しく意見を言って、納得いくまで妥協しないという姿勢を持って仕事をしているのかもしれませんね。客である私の立場を考えて対応してくださったので、満足できるお店ができあがりました。

やり甲斐があると様々な図面を用意

海華丸 玄関おかげさまで経営が軌道に乗って、97年には南箕輪村北殿のバイパス付近に移転。「海華」という料亭として再スタートすることになった際にも、城取設計にお願いしました。
 
ここは土地も広く、庭園も造ることになっていて、設計士の方は「これは広くてやり甲斐がある」と、様々な図面を書いてくれました。
こちらからすれば、まるで絵を見ているようなもので、苦労したことなど一つもありません。こちらの意見を一つひとつ聞いてくれた上で満足の行くお店ができあがりました。
 
庭園の石などにもこだわって、全長4メートルほどの滝も作ったんですよ。
これは本当に豪快でした。残念ながら再開発の関係で閉店を余儀なくされ、2003年に現在の場所(南箕輪村三本木原8304-223)に移転し「海華丸」と名前を変えて、営業を続けています。
 
「海華丸」は、山の中でも新鮮で美味しい魚介類を食べられるようにと、週に3回、東京の築地市場から仕入れを行っています。すべて小上がりの個室風のつくりにして、お客様にくつろぎながらお食事を楽しんでもらおうというコンセプトで設計してもらいました。

繁盛の努力をすることが何よりの恩返し

お料理移転から7年が経ちましたが(2010年現在)、しっかりと建築してもらったから、不具合も特にありません。随所にワンポイントのこだわりがあり、襖の下にスペースを設け、空気が循環しやすくする工夫などは、言われるまでこちらも気付かなかったほどです。
 
小さな相談事にも親身になってくださった先代は、とにかく大きな人でした。なんとも形容しようがないし、比較もできないほどの人だと思っています。
「海華丸」は、その先代が関わってくれたお店ですから、繁盛させるように努力していかないといけないですね。それこそが何よりの恩返しだと思いますし、潰すわけにはいきません!

トップへ戻る